認知症になると短期の記憶から無くなっていくって話ですが、そう一筋縄ではいかないみたいですね。
だってこの話を聞いていると、忘れたいものは忘れちゃう、忘れたくないものは忘れないって印象を受けます。
ただ、私の母親の場合、おかしいなと知ったきっかけは、姑にお歳暮のお礼の電話を2回掛けてきた事を聞いたから。
同じころに近所に姉夫婦が住んでいて、姪が結婚して遠くに行くからとお別れ会をすると母が発案したのに、その約束をころっと忘れていたのみならず、「〇子(姪)?はて、誰やったかな?」って感じだったそうです。
そして次女姉が親の介護の為に実家に来てた時に夜中に水を飲もうとリビングに行くと、父親から「どなたですか?」って聞かれてひょえー、追い出されちゃうと思ってたら母親も起きてきて「どなたですか?」って言われたそう。
そのときはすぐに思い出してくれたそうだけれども。
なので、一番最初に忘れたのが姪、そのあと娘だったから、そうだよね順当に新しい記憶から忘れているよなって思います。
うちの子たちが近くに居たら、多分うちの子たちは姪より4歳以上下なので、一番最初に忘れられちゃったかなと。
まあ最期まですっかり忘れてしまうって事は無かったみたいだけれども。
私も父の葬儀の時にヘルパーさんから「お母さんが次女さんの事を最後まで心配なさってましたよ。」とか言われましたから、すっかり忘れたりはせずに話題に出していたようです。
それでも夫婦二人は全然忘れたりせずに、ただ父親の入院中に父親が入院してることを忘れてあらゆるところに電話をかけまくる母だったから電話の脇や玄関のげた箱の上などあらゆるところに「〇夫さんは〇〇病院に入院中」という張り紙をしないといけなかったりしたそうです。
父親も、母親が父より1年前に亡くなったのだけれども、葬儀の時に
「皆何をしているんだ?」
「お母さんのお葬式だよ。」
「えー!!!」
っていう感じで何度言っても母が亡くなったことを忘れてしまうので何回も何回も母が亡くなったという事を初めて聞いた絶望を味わわないといけなかったという話はかわいそうだなあって思います。
それぐらい最期まで相手に頼って生きてきて、父は最後「もう生きている意味がない」と言っていたそうだから、母が亡くなったことを忘れても忘れてないってまだら状態だったのではと、母が居なくなってしまったから生きていけないって事だったのではと思います。
さてさて、私たち夫婦はどうでしょう、お互いを忘れてしまうのかな?